森實りこさんインタビュー│ビューティージャパン2019 神奈川県代表

事務所の所属タレントとして、役者やモデルのお仕事をされている森實りこ(Morizane Rico)さん。

インスタグラムのフォロワー数は25,000人以上。インフルエンサーとしても活動しているといいます。

現在は神奈川県のご当地ヒーローと、防犯教室や防災のショー、詐欺撲滅運動などの社会貢献活動も実施。2019年に行われたBeauty Japan コンテスト(以下、BJ)では初代グランプリに輝きました。

本日のインタビューでは、BJへの参加した動機やこれからの展望を含め、伺ってきました。

ビューティージャパンに応募したキッカケ

── モデルやタレント活動をしているりこさんですが、BJ参加の動機は何だったんですか?

りこ:最初は、BJの立ち上げに関わっていた友人が勧めてくれたことがキッカケでした。声をかけてくれたんです。「りこ、やってみれば?」って。

それに対してほんとに軽い気持ちで、「じゃあ、やってみよっかな!」と思ったのが始まりです。

とはいえ何でも良かったわけではなく、身長や年齢制限、結婚の有無などの規制が緩かったことに惹かれた部分はあります。

以前、とあるミスコンテストで優勝した女性に結婚歴と出産歴があったことが発覚し、優勝が取り消されたというニュースを見て「それはおかしいんじゃないか」という思いがあったんです。

それもあって、このコンテストであれば出たいって思ったんです。神奈川大会で準グランプリを獲ったところまではそんなモチベーションでした。

日本大会への出場が決まってからは「どうせやるならグランプリで優勝するぞ!」って考えるようになりました。

神奈川・大阪大会にて、神奈川県準グランプリ受賞時の写真(写真右・森實りこ)

── 元々のタレント・モデル活動はいつ頃から始められたんですか?

りこ:4歳の時に安達祐実さんが主演の『ガラスの仮面』というドラマを見て「舞台女優になりたい」と思ったのが始まりで、幼稚園の時から将来の夢に「女優」って書いてました。

ただそのあと、11年間チアリーディングに打ち込むようになり少し演劇からは遠ざかっていたのですが、高校生活の終わりにふと日芸の演劇学科演技コースを受けようと思い立ち、今の道へと踏み出しました。

事務所に所属してタレント活動が始まるのは大学を卒業後してからです。

── 舞台女優を志す中で、なぜご当地ヒーローのショーにも出るようになったのでしょうか?

りこ:所属している事務所が、横浜出身のご当地ヒーローの企画・制作・運営をしているんです。そのドラマをテレビ神奈川でも放送したりしているんですよ。映像にも興味があったので、ドラマにも出演させて頂きました。

ご当地ヒーローなので地元に愛されるヒーローでなきゃいけないですよね。それで、いつでも会えるヒーローとして様々なイベントでショーを行ったり、保育園や幼稚園、小学校で防犯教室や交通安全教室も行っていて、私も参加するようになったんです。

── ところで、地域貢献活動などはそもそも好きなんですか?

りこ:地域貢献というより、私は生まれ育ってきた横浜が大好きなんだと思います。

演劇って、それ一本だけではなかなか食べていけない職業だなと思っているんです。そのことに大学4年間を過ごすうちに気づいて。

なので、いつか舞台に立てればいいなというぐらいの位置づけで今は考えていて、その日に向けて大好きな横浜でのPRや、テレビ、モデルのお仕事へとシフトさせてきました。

インフルエンサー×モデルという働き方

── モデルというのは具体的にどういったお仕事なんですか?

りこ:私は撮影会モデルが一番多くて、その他には広告モデルや企業ウェブサイトのモデルとか。あとはポスターの撮影などもあります。

こういったお仕事をもらうようになったきっかけは「Instagam」でした。

インスタでポートレート写真を撮ってくれる人と組んで活動をしていたら、どんどんそちらが人気になってしまって、今ではインスタ経由でモデルのお仕事もらうことが大半になりました。

撮影会のオファーなどもインスタのDMで来たりして。もともと写真を撮られることも小っちゃな頃から好きだったので、向いてるのかもしれないと思ったんです。

気づいたら撮影モデルのお仕事の方が多いな、みたいな感じで(笑)

── 今現在、インスタのフォロワーはどれぐらいの数になりますか?

りこ:今(取材時点)は25,000人ほどのフォロワーさんがついてくださっています。

こうなるとモデルのお仕事と並行して、インフルエンサーとしてPRのお仕事なども入ってくるようになります。

ただ当時はまだ2014年ぐらいのお話で、インフルエンサーという言葉もまだなかったんです。なので、そうなろうとしたのではなく、気づいたらそうなっていた、という感じです。

── インフルエンサーの話については、BJのプレゼンテーションでもお伝えしていましたよね。

りこ:そうです、そうです。コンテストの審査基準の中に「影響力が大きい人ほど得点が高い」というような趣旨のことが書かれていて、そこに疑問を持ったことがキッカケでした。

フォロワー数が多いことって、メリットだけじゃないんです。

実名・顔出しの状態で知名度が上がってくると、増えるのはファンの方だけではありませんよね。当然危険なことも起こってきます。

りこ:私みたいなタレント活動をしているなら話はまた別ですが、そうではない一般職の人たちに対してSNSで影響力を持てというのは、その先にある危険性なども踏まえて伝える必要性があると思うんです。

何かあった時、コンテストの主催者が守ってくれるわけではないですよね。

そしてそれを言うのは、やっぱり一番フォロワーが多い人じゃないとカッコがつかないなと思ったんです。フォロワーが100人とかではダメで。

── 確かに、説得力が全然違ってきますよね。

りこ:本名を出して、現在地までわかるようなSNS発信を可愛い女子中高生の女の子たちがやっているというのは危険すぎますよね。

なので大会ファイナリストだけでなく、もっと多くの人に伝えなきゃって思ったんです。

── ちなみに、インフルエンサーという危険性もある今の状況でもこうして発信を続けていられる理由って何なんですか?

りこ:何でしょうかね? でも、自分を好きな人たちがいるから、その人たちに向けてSNSで発信をしているというのはあります。

時には攻撃されたり、嫌な言葉を投げかけられることもありますが、モチベーションとしてはまず自分のファンの方に一人ひとりちゃんとお礼を言うのが先ですし、大切なことかなと考えています。

そうじゃないと失礼じゃないですか。ファンの方を差し置いてそういう人にばかり意識を向けるっていうのは。

そういうスタンスでいるようにしたら、自分の中でも気にならなくなってきたんだと思います。

── インフルエンサーとしてのメンタルケアのコツかもしれませんね。

りこ:撮影会などは、10代前半の子とかも多いんですけれど、それぐらいの年だとまだ達観できないじゃないですか。

すると一部の心ない人に惑わされて、どんどん心病んじゃったりして。そういうのを見ていると、大人の都合で商売させられて、心病んでかわいそうだなって思うんです。

そういう人がどんどん減っていくようにしていきたいですね。

タレントを目指している、もうちょっと若い子たちが心を病まないように、そういう可能性もあるよっていうのをわかってもらった上で取り組んでもらうなど工夫が必要だと思います。

戦略的な生き方、それとも?

── ここまでの印象ですが、戦略的な方法でやりたいことを実現するタイプとは違いますよね?

りこ:今までは戦略を考えたことはなかったですね。

キッカケをいただいて一歩を踏み出すところまでは積極的にやりますが、その先というのは流れに任せています。

でも、BJコンテストの時はちょっとだけ「戦略」というのを覚えました(笑)

── 具体的にはどういうことでしょう?

りこ:BJではリョウコ先生が指導するウォーキングを始め、さまざまなセミナーが事前に用意されていました。技術的なものから心構え的なものまで。

その中で、自己PRやセルフブランディングに関する教えは、そのまま大会に活かすことができました。

講義の中で「自分が一番得意なこと、他の人がやってないことを探しなさい」と教えていただいたんです。

そこですぐに実践して、まずはファイナリスト全員の名前をノートに書き出しました。

あの人はこれが得意、この人はこれが得意。顔がいい、身長が高い、キャリアがある、などなど。偏見まみれなことも全部書いて、色分けなどで整理もして。

私にとって、初めての「戦略」でした(笑)

その中で、私だったらどこで勝てるかな? というのを考えた上で、当日のパフォーマンスやプレゼンテーションに挑みました。

未来へ挑戦する人たちへのメッセージ

── 最後になりますが、BJに限らず、夢や目標に挑戦しようと考えている方へメッセージをりこさんからいただけますか?

りこ:皆さん同じことを言っているかもしれませんが、まずはやってみることが大事だと思います。BJにしてみても、まずはエントリーしてみる。

起業して成功している人や、もともと何か特別な才能がある人でなくてもファイナリストに残り、グランプリまで取ることができるというのは、一応私が実例としての証明になったんじゃないかなと思います。

いま自信がなくても、そこからの伸び率、伸びしろを信じて、ここから成長していければいいかな? ぐらいの気持ちでやってみるといいと思います。

BJコンテスト控室での様子

りこ:私のモットーで、やりたくないことは我慢してやるけど、やりたいことは絶対我慢しないっていうのがあるんです。

生きていればやらなくてはいけないことって絶対出てくると思います。その中で、自分がやりたいことを誰かに邪魔されるとか、自分でやめちゃうとか、そういうのは絶対にしたくないと思っているんです。

BJに限らず、何かやりたいと思ってることがあれば、絶対にそこは我慢しないでやってみればいいと思います。

2019年にグランプリを受賞した3名(左:森實りこさん)

── 最後、何か伝え忘れていることってありますか?

りこ:そうですね…。役者や演技者の方へ向けて、ちょっと私が考えていることをシェアできたらなと思います。

役者という職業は、舞台やお芝居の中でしか役に立てないのかなってずっと思っていたんですけど、割とそんなことはないっていうことに最近気づいたんです。

実はここ数年、模擬患者っていうのをやっているんです。大学の歯学部生が受ける試験の患者役をやるんです。

台本もあるんですよ。

りこ:表情、年齢、名前、病歴、何日前にこの歯が痛くなって、そのあとこの薬を飲んで、そこからこんな痛みが出て、ようやく歯医者に来ました、みたいな。それを全部覚えて、自分のことのように話すっていうお仕事です。

お芝居じゃなくって、「演技者」という切り取り方であれば色々なところに需要があるんだよっていうのを進路に迷っている人に伝わればなと思います。

「模擬患者」っていう仕事を知った時、まさか演技の力が医療に生かせるとは思ってなかったので、まさかと思いました。

きっと他にも「え、こんなことに生かせるの?」っていうものがもっとたくさんあると思うんです。

役者って自己満足の世界みたいに思われることも多いですが、さまざまなところで輝けるんだよっていうのを自分でも実感しているので、もっと色々な可能性を知って、伝えていけるようになれたらと考えています。

■森實りこ(Morizane Rico)
役者、モデル、タレント。地元横浜でのヒーローショーへ出演など地域貢献なども行う。インスタグラムフォロワー数25,000人。Beauty Japanコンテスト(@bjpn_official)初代グランプリ

Instagram https://www.instagram.com/ricozane/
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