「仕事で圧倒的な成果をだしながら、家族を最優先にする」
一般的には非常識とされる生き方、働き方を絶対に実現すると公言するパワフルな女性。それが廣瀬志保(ひろせ・しほ)さん。
BEAUTY JAPAN 2019 グランドファイナリストに輝いた彼女の想い、信念についてインタビューしました。
24歳で初めての出産。その後に二人目を出産し、さらに三人目の出産を控えた妊娠9ヶ月の時にビューティージャパンのグランドファイナリストに選ばれ、産後1ヶ月で日本大会出場。
そのパワーの源はどこにあるのか?
看護師を辞めた1年後に法人を設立
── 最初に志保さんの今のお仕事についてお聞きしたいなと思います。私とビューティージャパンで知り合った時は講師をしていましたよね。
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志保:もともとは看護師なんですけれど今は独立して、日本美腸協会の認定講師をしてます。あとは個人向けでコンサルだったり『逆行美容』っていうサービスを提供し始めていて、そちらは商標登録の準備中です。
── 具体的にどんな活動をしているのか、教えてもらっていいですか?
志保:食事だけで美しい腸に変わるという内容で、美腸の指導しています。エビデンスもしっかりしていて、アドバイザーという形でお仕事をさせてもらっています。
1週間とか出ない人でも、1か月の食事指導ですごく良くなりますね。そういった体のその排泄に関してはもちろん、メンタル的なモチベーションの変化なども実感されるお客様もいらっしゃいます。イライラしにくくなったとか。
夫婦関係も良くなったという感想もありますし、自分のやりたいことができるようになったっていう感想をいただくこともあります。
── 個人の方へのサービス提供が中心ですか?
志保:法人様との契約もあります。今は飲食店の企画・運営をしている上場企業さんで食事の監修とセミナーをさせてもらっています。
2019年の9月で独立して1年になるのですが、そのタイミングで今度法人設立をすることになっています。定款は全部もう作ってあるので、もう少しで手続きが全部終わりますね。
独立後すぐに人が集まってきた理由
── 看護師を辞めてすぐに独立したっていう話でしたが、最初はやっぱり色々と苦労もありましたか?
志保:それが最初からお客さんはけっこういたんです。看護師をしていた10年ぐらい前からずっとFacebook などのSNSで発信はしていたので。
もちろん10年前の話なので、起業とかそういうことは一切考えていなくて、日頃の勉強のアウトプットの場として使ってました。
そうしたらけっこう普段から質問とかお問合せをいただくようになったんです。
妊娠・出産する度にキレイになるし、最近だとビューティージャパンのコンテストとかにも出ていて、いったい何をどうしたらそうなるの? って。
先日投稿したこの写真は反響が多かったです。笑
志保:4年間で3人の子どもを産んでるんですが、この写真だけは私だってうちの子も気づいてくれなくて。笑
これ、左が昔の写真なんですが、体重は今と一緒なんですよ。でも全然ちがうんですよね。肌だけじゃなく、出産のたびに整形したのかっていうぐらい顔が変わっていったんですよね。
そのためには食事もそうなんですが、根本的な思考や時間管理など、ほかにも意識することがあるので、それをオリジナルメソッドとしてまとめました。それが『逆行美容』というメソッドです。
志保:出産して、どんどん忙しくなるけど、どんどんキレイになって生き生きとして生きられるような、そういうメソッドです。産むたびに綺麗になることはできるんです。
出産に対してネガティブな人って意外と多いんですよね、美容に関しては特に。
「そんなことないんだよ」っていうのを伝えるためにこういった美容のコンサルもやり始めたって感じですね。
美容も健康も含め、自分の人生設計が全部できる、いつからでも遅くない。そういうことを伝える内容です。
看護師を辞め、美容の世界へ飛び込んだ経緯
── 改めてお聞きしますが、看護師という仕事をずっとしていたのに、1年前から美容の世界へ、しかも起業という形で飛び込んだのはなぜですか?
志保:看護師として元々は大学病院で重症患者さんを中心に診ていたのですが、出産を機に透析のクリニックに勤務地を変えたんです。
その時に、今まで自分の人生60年とかを一生懸命働いてきた人たちが、気付いたらもうベットの上にいる、という状況を目の当たりにしたんです。
定年後のライフスタイルとして、自分の好きなこともできないし、食べたいものも食べれない、みたいな現状を見て「これってその人の人生を考えた時に、こうなりたかったわけじゃないよね…」って思うようになりました。
「今の医療というシステムは素晴らしい。でも私自身が病院というシステムの歯車のなかの1つである必要はない。私にしか出来ないことがある。予防することで、人生変わる人が必ずいる」。
そう考え、独立したという経緯です。
── 看護師としてはどれぐらい勤務していたんですか?
志保:21歳から看護師として働き始めて、3人目産む前に「独立しよう!」と思って辞めました。年齢でいえば27歳までは看護師でしたね。
それがちょうど1年前(2018年9月)の話で、起業と同時に妊娠しました。笑
でも最初からお客さんもたくさん来てくださっていましたし、売上も伸び続けていました。BJ(ビューティージャパン)に出場したり、ラジオのパーソナリティーを始めたりとチャレンジを続けてきました。
ラジオに関しては、臨月を迎えてからスタートさせましたから。笑
── 妊娠が発覚して、起業活動というか仕事を控えようとかは思わなかった?
志保:「出産するから、じゃあ仕事は辞めるね」というのはやっぱり一般的にはありますよね。
女性はそういったライフイベントが多いので、働きたいなら働けばいいと思うし、でもそうじゃない人だったら別に休めばいいし、という感覚です。私の場合は働きたいと思ったから働いた、という。
「自分がやりたいようにやったらいいじゃん」っていうのが前提にあって、何かを言い訳にして「できない」って言ってる人たちを見続けてきて疲れたっていうのもあるかもしれないです。
「できない理由なんて並べたらいくらでもあるから!」みたいな。私、中身がアスリートなんですよ。すみません。笑
でも私が実際に、子供が3人いる状態で、それでも家族と仕事を両立してやっているっていう姿を見せ続けることができたら「子どもがいるから…」っていう言い訳をほかの人はできなくなりますよね。
そういう機会を増やしていってあげたら自分で内観できる人が増えるだろうし、こういう人がいるんだったら自分も一歩踏み出してみようかなって思ってもらえるかもしれませんよね。
そういう考え方の女性が増えたり、ママさんが増えると、子供たちもその背中を見て育つわけですから、きっと世の中的にもいいんじゃないかな~って思うんですよね。
── 素朴な疑問なんですが、なぜ子どもが3人もいる中でそこまでアクティブに動くことができるんですか。体力的な面もそうですが、ママをしていると時間がそもそもないですよね?
志保:もともと忙しい中でアクティブに動くということはしてきていて、その一つには「看護師をしながらエステの資格を取る」みたいなこともしてました。
働き始めて3年目ぐらいの時だったかなと記憶しているのですが、看護師って激務なのでみんな基本的に疲れているんですよね。でもこれじゃいかんぞと思い、エステの資格を取って夜勤明けに施術をしてあげる、みたいなことをしてました。
当時はまだまだ下っ端だったので、私にできるのは施術で癒してあげることぐらいかな~と思っていたんです。
ほかにも美容医療の資格とかいろいろあるのですが、そういうのも全部同時進行でやってきました。
時間管理と優先順位の付け方
── なぜあらゆる場面で「同時進行」ができるのでしょうか?
志保:人に任せるという委任スキルもありますが、一番大切なのは優先順位の付け方だと思っています。
私はよく「カレーライス」に例えて説明するのですが、カレーって「ライス」と「ルー」があればカレーライスじゃないですか。
でも多くの人は、カレーライスの全体像がわかっていないのに、いきなり「らっきょう」を無農薬で一から自分で作り始めるとか、カレーライスを作る上での最重要でないことにこだわる人が多い気がしています。
私と同じような立場になった時に、子どもや家庭も第一優先だけど、仕事や起業に関することも第一優先で、ほかにもたくさん第一優先がある、みたいな。こんがらがってしまうと時間はなくなるわけです。
── 志保さんの場合の第一優先はなんだったんですか?
志保:私の場合はそもそも論として、自分の体は自分でケアできるって前提があるんですね。しかも今回は三人目の出産だったので、つわりなども含めてどういう時にどんな対応をしたらいいかを知っているんですよね。
なので、妊娠・出産に対しての優先度というか、頭の中を占める割合が最初から少なかったんです。
それよりも、妊娠している今だからこそ世の中に対して打ち出せる何かがあるんじゃないかって。そちらの想いの方が大きかったです。自分に矢印じゃなくって、人や社会へと向けている感じですね。
今だからこそできる「役割」なんだろうな~って考えていました。
志保:世の中にはまだまだ「私なんかが出来ない」っていう人も多いんですけれど、「人は生きてるだけで誰かに影響している」というのが前提にあるのではと私は考えているんです。
自分だからこそ、できることがたくさんあるんじゃないか?
人はそれぞれ、今いるステージでの役割が絶対にある。自分が経験したことは、必ず誰かの役に立つ。そう私は思っています。
目的を持って、目的を大切に生きる。目的こそが第一優先。
腸活とかも同じで、時代の変化と共に、食べたら危ないものたくさん作られているけれど、そういうのってまだまだ知られていないんですよ。知っていたとしても、所得が低いからといってそれを選択してしまう。
そのあたりを怠ると、それを子どもたちが食べて成長していきますよね。すると将来的にストレスに対応できなくなり、結果としてうつ病が増えてしまう、というデータも出てるんですけれど、それすらも知らないと。
一番大事なはずの子供を、自分が忙しいから、お金がないからという理由で振り回されて本質を見失ってる人が多いです。
本当の目的は何? 目的に生きようよって思うんです。
目的に生きることを決めた1年前
── 志保さんの活動力の源泉に「目的」という言葉が見られますが、そのように考えるようになったのはいつ頃からですか?
志保:それも1年前です。付き合う人が変わって、浴びる言葉が変わったんです。
看護師時代に「起業しよう!」って決めたものの、そういうのを全然知らないなと思って何かしたら勉強しないと思っていたんです。そしたら友人が能力開発みたいな勉強会をしていて、「おいで」と言われたので行ってみたというのが始まりです。
付き合う人が代わり、浴びる言葉が代わり、思考が変わったら、行動する内容も変わるんです。
ということは、付き合う人が変わったらもう全部変わるんですよ、本当に。
── 「目的」に生きるってなった時に、その目的そのものを見失ったりブレたりすることはないんですか?
志保:ないですね。全部セルフコーチングをするので。何のために、誰のために、というのを常に自分に問いかけています。もし違うのであれば、何がそう感じさせたんだろうって、常に自分にコーチングしています。
とはいえ、セルフコーチングをするようになったのはここ半年ぐらいの話なので、そこも最近といえば最近です。
── 昔から「目的」というのは大切にしていた?
志保:いえ、全然そんなことはないです。目的というよりも「目標」思考だったと思います。
看護学生の時は要領が良いタイプでした。
みんな実習中って、夜中まで寝ないで頑張って、そのあとずっとヘロヘロみたいな感じなんですけれど、私は毎日飲んだくれてました。笑
提出する資料とかも鬼のようにあるんですがそれもぱーっと終わらせて「スポッチャに行こうよ」ってやってました。それでも成績はやっぱ90点台とかすごい良くて。
なので、数値化された目標に対して短期間で頑張るというか、目の前にニンジンをぶら下げられた馬みたいな感じの人生で、目的より目標でした。
── ちなみに、現在の志保さんの「目的」は何なんですか?
志保:私と私の家族、縁のある人たちが幸せになるために働く。私が子どもたちのロールモデルとして自己実現をすることで「夢は叶えることがあたりまえ!」「早く大人になりたいな!」と思える、そんな子供たちが世の中にあふれる世界にすることがわたしの目的です。
「世の中に肯定的な影響を与える!」
これが私の存在意義であり、責任と役割であると考えています。
BJ(ビューティージャパン)のスピーチでも話したロジャー・バニスターっていう陸上競技の選手はご存じですか。世界で初めて1マイル4分を切る記録を打ち立てたっていう人なんです。
興味深いのが、これまで1マイル4分を切るのは難しいというのが定説だったのが、ロジャー・バニスターが記録を塗り替えたら、1マイル3分台の選出が続出したというエピソードがあるんです。
一人そういう目標達成をした人がいると、あとから続出するっていう人間の心理みたいなのがあって。
だから私が産後1ヶ月でBJ(ビューティージャパン)にファイナリストとして出場したというのも、こういう人もいるんだっていうのが誰かの一歩を踏み出す勇気になればと思って活動しています。
BJ(ビューティージャパン)から学んだこと
── BJ(ビューティージャパン)に参加すると色々なレッスンを受けることになりますよね。その中に私が提供するウォーキングレッスンも入っていたと思うのですが、最初はどんな気持ちでしたか?
志保:リョウコ先生のレッスンは最初と最後しか出ていないんですよね。臨月と出産の真っ最中だったというのがあって。
でも、自分の世界観がすごく広がる機会を作っていただけたこと自体が、私はとてもありがたいことだなと思っていました。
ウォーキングとかも、妊婦の私が出てきて「何なんだ!?」って感じだったと思うんですけれど、リョウコ先生が色々教えてくれました。
志保:歩き方を習うということ自体が初めてだったので、魅せ方とかのイメージも全然わかなかったんですが、そこをコーチングみたいな形で引き出してくれましたよね。
どんな目的で、どんなコンセプトで生きているのか。そうだとしたらそれをウォーキングでどのように表現していくのか。そういうのを一緒に作り上げてくれました。
自分の目的と想いを動きに出すっていうのはこういうことなんだなっていうのをすごく感じさせていただきました。
今は人前でスピーチをさせていただく機会も増えたので、立ち方や所作などの細かい部分も気にするようになりました。
── ちなみに私の印象って最初はどうでしたか?
志保:ダンスのレッスン=スパルタ、みたいな私の勝手なイメージがあったのですが、まったく怖いこともなく優しくて。
一つ一つこう丁寧に教えていただけて、リョウコ先生って人間味がすごいある人なんだなって思ってました。信頼できるというか、人をフィルターで判断せず、素直に受け入れてくれて、噛み砕いて話してくれる。
ああ、なんか、この先生だったら自分のことを色々と話してもいいかなって思える、そんな先生です。
── コンテストで人の前に立つ。しかも産後1ヶ月でっていう状況でしたが、外見美やマインドの部分で意識されたことはありましたか?
志保:そもそもみんな、通常の状態で綺麗な人たちじゃないですか。そんな中で私は産後1ヶ月で臨むのって尋常じゃないというか。笑
ぜひ世の中の産後1ヶ月後の人想像して欲しいんですが、みんなこう、寝不足で髪の毛もぐしゃぐしゃ、みたいな感じですよね。
それでも自分が目的とすることを明確にすることで、目の前の目標や事象をクリアできるというか。綺麗になるってことも、魅せ方を考えるっていうのも全部がやっぱり「目的に生きる」ということにつながるかなって思います。
結論がいつも同じですね。笑
読者の方へのメッセージ
── インタビューの最後に、読者へのメッセージは何かありますか?
志保:目的に生きる、望めば全て手に入る。以上!
……って、一言で言うとそうなっちゃうんですけれど。笑
でもそういう感じで、目的に生きることができるようになったら全て手に入るんですよ。だから、決めたら全て手にできるっていうことを、もっと知った方がいいなって思っています。
例えば、今回私が話した内容というのは、人によっては「産後1ヶ月でコンテストに出るのってどうなの?」という意見もあると思うんです。
あると思うんですけれど、それはその人の見解であって、何が正しいか正しくないかじゃなく、自分が決めた道をただ選ぶっていう…それだけなんですよね。
今日は「目的思考」の話をたくさんしたのですが、私もそれを自覚したのは本当に1年前なんです。
きっと誰もが自分の中に「目的」は持っているはずなんですが、気づいていない、気づけないでいるだけなんですよね。
目的が明確になればそのための思考になりますし、そのための行動になる。行動しないと現実は変わらないので、やっぱり「目的」が大切、っていうことですね!
── 今日はありがとうございました。
志保:ありがとうございました。